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国会からの検査要請事項に関する報告(平成29年) | 国会からの検査要請事項に関する報告 | 検査結果 | 会計検査院 Board of Audit of Japan

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全文

(1)

会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書

「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検

査の結果について」

平 成 2 9 年 1 1 月

(2)

参議院予算委員会において、平成29年3月6日、予算の執行状況に関する調査のため、会 計検査院に対し、学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する状況について会計検 査を行い、その結果を報告するよう要請することが決定され、同日参議院議長を経て、会 計検査院長に対し会計検査及びその結果の報告を求める要請がなされた。これに対して、 会計検査院は、同月7日、検査官会議において本要請を受諾することを決定した。

本報告書は、上記の要請により実施した会計検査の結果について、会計検査院長から参 議院議長に対して報告するものである。

(3)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第1 検査の背景及び実施状況 1

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1 検査の要請の内容 1

・・・・・・・・・ 2 大阪府豊中市の国有地の概要、未利用国有地等の処分手続等 1

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1) 大阪府豊中市の国有地の概要 1

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(2) 国有財産制度の概要 4

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(3) 特別会計所属の普通財産の処分等 5

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(4) 未利用国有地等の処分の手続等 6

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 処分方針 7

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 国有財産地方審議会への諮問 8

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウ 国有財産の評価等 9

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エ 見積書の徴取 11

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オ 公表 12

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(5) 国有財産の管理等 13

・・・・・・・・・・・・・ (6) 本件土地に建設する小学校の校舎に対する補助金 13

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(7) 行政文書の管理 14

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3 検査の観点、着眼点、対象及び方法 15

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1) 検査の観点及び着眼点 15

・・・・・・・・・・・・・・

ア 大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯 15

・・・・・・・・・・・ イ 貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性 15

・・・・・・・・・ ウ 当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況 16

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(2) 検査の対象及び方法 16

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第2 検査の結果 17

・・・・・・・・・・・・・・・・

1 大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯 17

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1) 本件土地の来歴 17

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 本件土地の周辺地域 17

・・・・・・・・・・・・ イ 大阪航空局における移転補償による土地の買入れ 18

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウ 移転補償跡地の処分 19

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エ 野田区画整理事業による換地 20

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オ 換地後の土地の処分 23

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カ 土地の履歴及び地下構造物の調査 23

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キ 公園用地の豊中市への売却 25

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ク 公園用地に係る土壌汚染 26

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ケ 土壌汚染等状況調査 26

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コ 本件土地の最初の処分手続 27

・・・・・・・・・・・・・ サ 移転補償跡地等の管理及び新関空会社への承継 27

・・・・・・・・・・ (2) 本件土地の森友学園への処分に係る会計事務の委任状況 30

・・・・・・・・・・・・・・・・

(3) 本件土地に係る処分等相手方の決定手続等 30

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(4)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 近畿地方審議会への諮問 33

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(4) 本件土地の貸付けの経緯 33

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 貸付合意書等の締結手続等 33

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 有益費 38

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(5) 本件土地の売払いの経緯 40

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 新たな地下埋設物 40

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 森友学園からの購入要望 41

・・・・・・・・・・・・・・

ウ 本件土地の売却における地下埋設物の取扱い 42

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エ 売買契約の内容 43

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オ 延納の特約 43

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カ 売払い結果の公表 46

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(6) 買戻権の行使等 47

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(7) サステナブル事業 48

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア サステナブル事業への応募 48

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 27年度補助金の交付申請等 49

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウ 27年度実績報告及び補助金の交付 49

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エ 28年度補助金の交付申請等 50

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オ 事業の中止及び補助金の返還 50

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(8) 移転補償跡地に係る国有財産台帳 54

・・・・・・・・・・・・・ 2 貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性 56

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1) 貸付料の算定 56

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 貸付料予定価格の決定 56

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 見積合わせ 57

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(2) 有益費 58

・・・・・・・ ア 大阪航空局における対策工事の内容及び金額の妥当性の検証 58

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 有益費についての検討 59

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(3) 売却価格の算定 64

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 地下埋設物の取扱い 64

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 地下埋設物撤去・処分費用の算定 65

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウ 予定価格の決定等 80

・・・・・・・・・・・ 3 当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況 86

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1) 財務省の管理状況 86

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 文書の管理状況 86

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 電子ファイルの管理状況 88

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(2) 国土交通省の管理状況 89

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第3 検査の結果に対する所見 91

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1 検査の結果の概要 91

・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯 91

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 本件土地の来歴 91

(5)

・・・・・・・・・・・・・・・

ウ 本件土地に係る処分等相手方の決定手続等 95

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エ 本件土地の貸付けの経緯 95

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オ 本件土地の売払いの経緯 97

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カ 買戻権の行使等 101

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キ サステナブル事業 101

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ク 移転補償跡地に係る国有財産台帳 103

・・・・・・・・・・・ (2) 貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性 104

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 貸付料の算定 104

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 有益費 104

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウ 売却価格の算定 107

・・・・・・・・・ (3) 当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況 113

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ア 財務省の管理状況 113

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イ 国土交通省の管理状況 114

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2 所見 115

・・・・・・・・・・ (1) 大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯について 116

・・・・・・・ (2) 貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性について 116

・・・・・ (3) 当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況について 117

(6)

第1 検査の背景及び実施状況 1 検査の要請の内容

会計検査院は、平成29年3月6日、参議院から、国会法第105条の規定に基づき下記事項 について会計検査を行いその結果を報告することを求める要請を受けた。これに対し同 月7日検査官会議において、会計検査院法第30条の3の規定により検査を実施してその検 査の結果を報告することを決定した。

一、会計検査及びその結果の報告を求める事項 (一)検査の対象

財務省、国土交通省 (二)検査の内容

学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する次の各事項 ① 大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯

② 貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性 ③ 当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況

2 大阪府豊中市の国有地の概要、未利用国有地等の処分手続等 (1) 大阪府豊中市の国有地の概要

本件要請に係る大阪府豊中市の国有地は、豊中市野田町に所在する面積8,770.43㎡ の土地(以下「本件土地」という。)であり、国土交通省所管自動車安全特別会計空 港整備勘定(平成20年度から25年度までは社会資本整備事業特別会計空港整備勘定、 19年度以前は空港整備特別会計。以下「空港整備勘定」という。)に所属している。 本件土地は、28年6月20日に学校法人森友学園(以下「森友学園」という。)に売却さ れていたが、買戻権の行使により、29年6月29日に国有地となっている。

(7)

行政目的に直接供用される行政財産として、国土交通省大阪航空局(以下「大阪航空 局」という。)が管理していた。そして、航空機のエンジンの低騒音化等により、元 年に同周辺地区の指定が解除されたことを受け、大阪航空局は、「大阪国際空港周辺 の移転跡地の取り扱いに関する運用方針」(平成2年9月28日付け運輸省航空局環境整備 課。以下「運用方針」という。)等に基づき、同周辺地区内の移転補償跡地について、 5年に行政財産の用途を廃止し、処分が可能な普通財産に分類変更して大阪航空局が引 き続き管理していた。その後、豊中市野田町では、8年度から21年度にかけて豊中市が 野田土地区画整理事業(以下「野田区画整理事業」という。)を施行していた。本件 土地は、野田区画整理事業の施行区域(以下「野田地区」という。)内に散在してい た上記の大阪航空局が管理していた移転補償跡地のうち213筆、21,606.95㎡に代えて、 17年6月に大阪航空局が換地処分により取得した土地18,262.85㎡の一部である。

本件土地について、大阪航空局は、公用・公共用利用優先の考え方に従い、売却に 向けて複数回交渉を行っていたが、いずれも売却までには至っていなかった。

(8)

28年3月に、森友学園から近畿財務局に対して、貸付合意書で対象としていた地下埋 設物に該当しない新たな地下埋設物が小学校建設工事中に発見された旨の連絡があり、 また、同月、森友学園から本件土地を購入したい旨の提案があった。これを受け、近 畿財務局は大阪航空局に対して、本件土地の売却価格の算定のために、地下埋設物の 撤去・処分費用についての見積りの依頼を行い、大阪航空局は、同年4月に当該費用を 8億1974万余円とする見積りを近畿財務局へ提出した。近畿財務局は、上記の撤去・処 分費用を考慮することなどを条件とした鑑定評価業務を不動産鑑定業者に委託するな どして算定した1億3400万円を売却価格として、同年6月に本件土地を森友学園へ売却 していた。

これらの本件土地の売却等に係る主な経緯は、図表1-1のとおりである。

(注1) 有益費 他人の物を占有する者がその物の改良を行うために支出した 費用等その物の価値を増加するために支出した費用

図表1-1 本件土地の売却等に係る経緯(概要)

年 月 日 主 体 経 緯

昭和49年3月 運輸省 豊中市野田町周辺地区を大阪国際空港周辺に係る騒音対策区域として指定 →以後、土地の所有者からの申出に応じて土地の買入れを実施し、買い入れた

土地は大阪航空局所管の行政財産(移転補償跡地)として管理 平成元年3月 運輸省 豊中市野田町周辺地区の騒音対策区域の指定を解除

5年 1月 大阪航空局 本件土地に係る移転補償跡地を行政財産から普通財産へ分類変更 8年~22年 豊中市 野田区画整理事業を施行

→野田地区内に散在していた移転補償跡地が換地処分により集約化 21年~24年 大阪航空局 地下構造物調査、土壌汚染等状況調査を実施

→土壌汚染(鉛、砒素)、廃材・コンクリート殻等の地下埋設物の存在が明らか ひ

になる。

25年 4月30日 大阪航空局 近畿財務局に対し本件土地に係る処分等依頼書を提出(会計法(昭和22年法律第 35号)第29条の2第2項の規定に基づく事務委任)

6月 近畿財務局 本件土地の公用・公共用の取得等要望を受付(25年6月3日~9月2日) 9月 2日 近畿財務局 森友学園から本件土地の取得等要望書の提出を受ける。

26年10月 森友学園 大阪府に小学校設置認可の申請書提出 12月 大阪府私立 森友学園による小学校設置認可について審議

学校審議会 →申請内容等において確認すべき点があるため継続審議 27年 1月 大阪府私立 森友学園による小学校設置認可について審議

学校審議会 →小学校建設に係る工事請負契約の締結状況等について次回以降の審議会にお いて報告することを条件として「認可適当」の答申

2月10日 近畿財務局 第123回国有財産近畿地方審議会において、本件土地を小学校敷地として森友 学園に貸付け及び売払いを行うことを審議

→大阪府から小学校設置の正式認可を得られることを条件として貸付け及び売 払いを行うことは適当であるとする答申を近畿地方審議会から受ける。 5月29日 近畿財務局 貸付合意書を締結

森友学園 ・貸付期間 10年間(27年6月8日~37年6月7日) ・貸付料年額 2730万円

(9)

益費とする。

6月~12月 森友学園 土壌改良及び地下埋設物撤去工事を実施(21年~24年実施の調査により判明し た土壌汚染と地下埋設物の撤去)

10月 2日 森友学園 木活協に対しサステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に係る補助金交付(注) 申請

8日 木活協 森友学園に対しサステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に係る補助金交 付決定

11月頃 財務本省 内閣総務官室職員から「介護施設に適用される定期借地賃借料が当初の10年 間に限り5割減額される制度」の対象に学校法人が含まれるかなどについて照 会を受ける。

→制度については検討中であるが、学校法人は含まれないことなどを回答 28年 3月11日 森友学園 杭工事を行う過程において新たな地下埋設物を発見したことを近畿財務局に連

14日 近畿財務局 現地確認を実施 大阪航空局

森友学園

15日 森友学園 財務本省に対して地下埋設物の撤去等について要請 24日 森友学園 近畿財務局に本件土地の購入を要望

30日 近畿財務局 地下埋設物の撤去・処分費用について見積もることを大阪航空局に依頼 4月 6日 大阪航空局 有益費を森友学園へ支払(1億3176万円)

14日 大阪航空局 地下埋設物撤去・処分概算額(8億1974万余円)等を近畿財務局に報告、併せて近 畿財務局に対し、本件土地に係る処分等依頼書を提出

22日 近畿財務局 本件土地の不動産鑑定評価を不動産鑑定業者に委託 5月31日 近畿財務局 不動産鑑定評価書を受領

・地下埋設物撤去及び処理費用を考慮しない鑑定評価額9億5600万円

・近畿財務局が提示した地下埋設物撤去及び処理費用を鑑定評価額に反映した 場合の意見価額1億3400万円を参考として付記

6月20日 近畿財務局 国有財産売買契約を締結

森友学園 →森友学園へ本件土地の所有権移転、抵当権者を国土交通省とする抵当権設 定

・売買代金1億3400万円

・即納金(2787万円)を差し引いた1億0613万円について10年年賦払いの延納の 特約

・指定期日(29年3月31日)までに指定用途に供さなかったとき、国は買戻しで きる。

・国が買戻権を行使したとき森友学園は原状回復して返還(国が認めた場合は 現状のまま返還)

・一切の瑕疵について瑕疵担保責任を免除 29年 3月10日 森友学園 小学校設置認可の申請の取下げ

28日 森友学園 交付を受けていたサステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に係る補助金5 644万余円を木活協へ返還

6月29日 近畿財務局 買戻権を行使して本件土地の所有権移転の登記 10月10日 森友学園 再生計画案を裁判所へ提出

(管財人)

(注)一般社団法人木を活かす建築推進協議会の略称である。 (2) 国有財産制度の概要

(10)

営用財産に区分される。

普通財産は、行政財産以外の国有財産であり、貸付け、売払いなどの処分等をする ことができるとされている。行政財産については、各省各庁の長がその所管に属する 行政財産を管理しなければならないとされている。一方、普通財産については、財務 大臣が管理し、又は処分しなければならないとされており、各省各庁の長は、政令で 定める場合を除き、行政財産の用途を廃止した場合又は普通財産を取得した場合にお いては、財務大臣に引き継がなければならないとされている。そして、国有財産法施 行令(昭和23年政令第246号)によれば、財務大臣への引継ぎが不要な特別会計とされ ている自動車安全特別会計等の10特別会計所属の普通財産については、各省各庁の長 が管理し、又は処分することとされ、本件土地は空港整備勘定に所属する普通財産で あり、国土交通大臣が管理し、又は処分を行うこととなっている。

また、国有財産の処分について、財政法(昭和22年法律第34号)第9条第1項の規定 によれば、国の財産は、法律に基づく場合を除く外、適正な対価なくしてこれを譲渡 し又は貸し付けてはならないなどとされている。

(3) 特別会計所属の普通財産の処分等

国有財産法によれば、各省各庁の長は、その所管に属する国有財産に関する事務の 一部を部局等の長に分掌させることができるとされており、大阪航空局に所属する国 有財産に関する事務は、国土交通省所管国有財産取扱規則(平成13年国土交通省訓令 第61号)により、大阪航空局長が分掌することとなっている。

一方、会計法第29条の2第2項の規定によれば、各省各庁の長は、必要があるときは、 政令の定めるところにより、他の各省各庁所属の職員にその所掌に係る売買、賃借、 請負その他の契約に関する事務を委任することができるとされている。本件土地の売 払いなどの処分に関する契約事務は、国土交通大臣から近畿財務局長に委任されてい る。近年は、国有財産全体の有効活用を図る観点から、特別会計所属の普通財産(財 政投融資特別会計特定国有財産整備勘定を除く。)の処分等に係る事務の財務省への 委任が積極的に進められており、国土交通大臣は、大阪航空局長が管理する空港整備 勘定所属の普通財産を処分する場合の契約事務について、所在地を管轄する近畿財務 局長等を契約担当官として指定することにより委任している。

委任事務の範囲は、委任要領によれば次のとおりとされている。

(11)

う。)第99条第21号等の規定に基づき随意契約により契約することができる公益法 人その他の事業者からの公的要望の確認

② 処分等方針の決定(国有財産地方審議会への諮問を含む。)

③ 契約に関する事務(評価及び調査に関する事務を含む。)及びこれに伴い必要と なる経費の要求や支出負担行為に関する事務等

委任要領によれば、財務局長等は、特別会計所属の普通財産の処分等に関する事務 を処理するに当たっては、あらかじめ特別会計所属の普通財産を所管する各省各庁の 国有財産部局長から処分等依頼書の提出を受けて、一部の事務を除き、財務省所管一 般会計所属普通財産(以下「財務省普通財産」という。)の処分等に係る事務の処理 の例に準じて、普通財産取扱規則(昭和40年大蔵省訓令第2号)等の財務省普通財産の 管理処分に関する訓令等の定めるところにより行うものとされている。

また、財務局長等の契約担当官が国土交通大臣等から委任を受けて特別会計所属の 普通財産の売払いなどに関する事務を行う中で、地下埋設物の調査に係る契約行為や、 契約に基づき損害賠償金を支出する行為等の委任要領に具体的に明記されていないが 契約に関する事務の対象となり得る事務が生じた場合には、委任者と受任者の間で協 議を行い、いずれが執行すべきであるかを決定することにしている。

なお、特別会計所属の普通財産について売払いなどの処分をした際の売払代金等は 特別会計の収入となることから、売払代金等の徴収に関する事務は、特別会計の歳入 徴収官が行うこととなる。

(4) 未利用国有地等の処分の手続等

(12)

図表1-2 未利用国有地等の主な処分事務の流れ

ア 処分方針

財務省は、「新成長戦略」(平成22年6月閣議決定)を踏まえ、国有財産について、 売却等を通じて国の財政に貢献するとともに、地域や社会のニーズに対応した有効 活用を図っていく必要があるとしており、未利用国有地等については、「未利用国 有地等の管理処分方針について」(平成23年財理第2199号。以下「処分方針通達」 という。)に基づき、公用・公共用利用優先の考え方を原則としつつ、速やかに、 かつ、透明で公平な手続に従って売払い又は貸付けを行うこととしている。

財務局、財務支局及び沖縄総合事務局(以下、これらを合わせて「財務局等」と いう。)は、未利用国有地等について、処分方針通達に基づき、原則3か月間、地方 公共団体等からの取得等要望の受付を行った上で、受付期間中に取得等要望がない 場合には一般競争入札により売り払うこととしている。取得等要望があった場合に は、事業の実現性、利用計画の妥当性等の審査項目に基づいて審査し、予決令第99

【公 用 ・ 公 共 用 の 場 合 】 【 一 般 競 争 の 場 合 】 処分 等 依 頼 書 の 提 出

見積 合 わ せ 国 有 財 産 地 方 審 議 会 へ諮 問

( 必要 な 場 合 )

鑑 定 評 価 依頼 利 用 計 画 等 の審 査

  要 望有   要 望 無

入 札 案 内 書 作 成

入 札 公示

開 札 ( 落 札者 の 決 定 ) 処 分 等 相 手 方 の 決 定 ・通 知

予 定 価 格 決定

契 約 金 額 等 の公 表   不 可 取 得 等 要 望 の受 付

(13)

条第21号の規定に基づき契約することができるかなどを確認した上、売払い又は貸 付けの相手方を決定して、その旨を文書により相手方に通知するとともに、当該審 査結果をホームページにより公表することとしている。財務局等は、処分等相手方 を決定した場合には、通知文書を送付した日から起算して原則として2年以内を限度 に、会計法第29条の3第5項及び予決令第99条第21号の規定に基づき、公共用、公用 又は公益事業の用に供するために必要な物件を直接に地方公共団体又は事業者に売 り払うなどの場合等に該当するものとして、随意契約により売払い又は貸付けの契 約を締結することとしている(以下、この場合の随意契約を「公共随契」とい う。)。本件土地も、小学校用地として公共随契により貸付け又は売払いを行った ものである。

そして、国有財産法第29条の規定によれば、政令で定める場合を除き、各省各庁 の長は、普通財産の売払い又は譲与をする場合は、その買受人又は譲与を受けた者 に対して用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定しなけれ ばならないとされている。さらに、財務省は、用途指定を付さなければならない場 合、「普通財産にかかる用途指定の処理要領について」(昭和41年蔵国有第339号。 以下「用途指定要領」という。)に基づくなどして、契約書に、指定期日までに事 業計画及び利用計画に基づき具体的に定めた指定用途に供さなければならないなど の特約条項とともに買戻しの特約条項を付することにしており、契約相手方がこれ に違反して指定用途に供さず、国が当該特約条項に基づき買戻権又は契約の解除権 を行使した場合、契約相手方は原状回復の義務を負うことなどとなっている。

また、財務省は、「財務省所管一般会計所属の未利用国有地等の売却促進につい て」(平成21年財理第814号)に基づき、売却促進の観点から、地下埋設物があるな ど瑕疵のある財産等について、瑕疵等を明示した売却(以下「瑕疵等明示売却」と いう。)が可能と認められるものは、瑕疵等を補正することなく、その内容を明示 の上売却することとしている。

イ 国有財産地方審議会への諮問

(14)

理第5336号)に基づき、各財務局及び沖縄総合事務局が定めており、近畿財務局で は、一般競争入札により売り払う場合等を除き、人口5万人以上の都市において5,0 00㎡以上の土地について売り払う場合等は国有財産近畿地方審議会(以下「近畿地 方審議会」という。)へ諮問することとしている。近畿財務局は、処分方針通達に 基づき、取得等要望があったときは、要望の受付期間終了後2か月以内に審査を行っ た後、処分等を行うことが妥当であると判断したときは速やかに処分等方針案を近 畿地方審議会に諮問することとしている。

そして、普通財産取扱規則第7条の規定によれば、国有財産地方審議会に諮問した ときは、財務局長等はその意見を尊重しなければならないとされている。

ウ 国有財産の評価等

(ア) 国有財産評価基準の概要

財務省は、国有財産等の評価及び審査の手順等を定め、評価事務の適正を期し、 かつ、統一的な運用を図ることを目的として「国有財産評価基準について」(平 成13年財理第1317号。以下「国有財産評価基準」という。)を定め、これに基づ いて普通財産の評価を行っている。国有財産評価基準によれば、財政法第9条第1 項に、国の財産は、法律に基づく場合を除く外、適正な対価なくしてこれを譲渡 等してはならないとされていることなどの趣旨を踏まえ、国有財産等の評価は、 適正な対価を求めることを基本とするとされている。そして、財務省が国有財産 を売り払うなどの場合の予定価格には、国有財産評価基準の手続に従って評価が 行われた適正な対価(以下、このようにして求めた適正な対価を「評定価格」と いう。)を用いることになっている。

(15)

不動産鑑定士等による鑑定評価書等を徴することとされている。さらに、国有財 産評価基準に定めのない手法等によることが適当であると認められる場合には、 あらかじめ財務本省と意見調整を行うこととされている。

(イ) 不動産鑑定評価の概要

前記のとおり、国有財産である土地(農地等を除く。)の評価は、単独利用困 難な土地等の国の職員による評価が許される場合を除き、不動産鑑定評価による こととされている。不動産鑑定評価を行うに当たっての統一的基準である不動産 鑑定評価基準(平成14年7月3日国土交通事務次官通知)によれば、不動産鑑定評 価は、不動産の適正な価格を求め、その適正な価格の形成に資するものでなけれ ばならないとされ、不動産鑑定評価によって求める価格は、基本的には正常価格(注2) であるが、鑑定評価の依頼目的に対応した条件により限定価格、特定価格又は特

(注3) (注4)

殊価格を求める場合があるとされている。 (注5)

また、不動産鑑定評価基準等によれば、鑑定評価の成果は、採用した資料によ って左右されるもので、資料の検討に当たっては、収集された資料について鑑定 評価の作業に活用するために必要にして十分な資料であるか否か、資料が信頼に 足りるものであるか否かについて考察しなければならないとされている。そして、 不動産の価格を形成する要因(以下「価格形成要因」という。)の分析に当たっ ては、収集された資料に基づき一般的要因、地域要因及び個別的要因を分析する などして、対象不動産について、その最有効使用を判定しなければならないとさ

(注6)

れている。上記のうち、土地に関する個別的要因には、地下埋設物の有無及びそ の状態並びに土壌汚染の有無及びその状態に関する要因があり、不動産鑑定士が 地下埋設物等の状態が減価要因であると判断した場合、試算価格の算定をはじめ、(注7) 鑑定評価における各種の判断に減価要因として反映され、鑑定評価額の決定に影 響を与えることになる。

(16)

必要があると認められるときは、当該条件が設定されない場合の価格等の参考事 項を記載すべきであるとされている。そして、当該参考事項として記載された価 格等は、鑑定評価額とは異なるものであり、鑑定評価額を定める場合のように中 立性や信頼性の水準を確保することが求められるものではないとされている。 (注2) 正常価格 市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下

で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場 価値を表示する適正な価格をいう。

(注3) 限定価格 市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不 動産との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常 価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と かい離することにより、市場が相対的に限定される場合における取.. 得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格をい う。

(注4) 特定価格 市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請 を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を 満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成 されるであろう市場価値とかい離することとなる場合における不動

..

産の経済価値を適正に表示する価格をいう。

(注5) 特殊価格 文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、そ の利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格 をいう。

(注6) 最有効使用 その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富 む使用のこと。不動産の価格は、最有効使用を前提として把握され る価格を標準として形成される。この場合の最有効使用は、現実の 社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人 による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである とされている。

(注7) 試算価格 不動産鑑定評価の方式のうち取引事例比較法等のそれぞれ の手法を適用して求められた価格をいう。

エ 見積書の徴取

財務省は、公共随契による売払いなどを行う場合、予決令第99条の6の規定に従い、 なるべく相手方から見積書を徴することとしている。一方、「随意契約による場合 の予定価格等について」(昭和44年蔵計第4438号)及び財務省所管会計事務取扱規 則(昭和43年大蔵省訓令第1号)第42条第1項の規定により、法令に基づいて取引価 格が定められていることその他特別の事由があることにより、特定の取引価格によ らなければ契約をすることが不可能又は著しく困難であると認められるものなどに ついては、見積書の徴取を省略することができるとされている。

(17)

連絡」という。)を発出し、予定価格を決定した後、相手方との間で見積書による 見積合わせを行うこととしている。見積合わせは、次の①から④までのとおり行う こととなっている。

① 近畿財務局が定めた見積書の様式に見積金額等の必要事項を記入し、記名押印 の上で提出する。

② 見積金額が予定価格以上となった場合に成立する。

③ 1回の見積合わせで成立しない場合は同日に3回まで行うことができる。

④ ③の結果、見積金額が予定価格に達しない場合、相手方から改めて見積合わせ を行いたいとの申出があった場合は、別途日時を定めて実施する。

また、近畿財務局は、予決令第99条の6の規定により、なるべく相手方から見積書 を徴求することとする一方、地下埋設物の存在等について契約相手方にその影響を 見積もる知見がないなど、契約相手方において積算することが困難な場合は、見積 書を徴することなく契約相手方に対して売払価格を提示し、当該価格で契約を締結 することとしているが、見積書を徴することなく売払価格を提示する場合の規定や 判断基準等は、予決令等において見積書の徴取を省略することも許容されていると して、見積事務連絡等で定めていない。

なお、財務省は、28年9月に公共随契による場合の価格決定手続について、各財務 局等の実態調査を行っている。その結果、契約相手方が価格を見積もることが困難 な事情を十分確認しないまま見積書を徴求していないものも見受けられたことから、 運用の統一を図るため、29年1月に処分方針通達において、見積合わせなどの相手方 との間で価格に係る交渉を実施した上で、予定価格以上の価格をもって処分等価格 を決定することなどを内容とする改正を行っている。

オ 公表

(18)

(5) 国有財産の管理等

各省各庁の長は、国有財産法第9条の5の規定に基づき、その所管に属する国有財産 について、良好な状態での維持及び保存、用途又は目的に応じた効率的な運用その他 の適正な方法による管理等を行わなければならないこととなっている。また、各省各 庁は、同法第32条第1項の規定に基づき、国有財産の分類及び種類に従い台帳を備えな ければならず、各省各庁の長又は国有財産に関する事務の一部を分掌する部局等の長 は、同条第2項の規定に基づき、その所管に属し、又は所属に属する国有財産につき、 取得、所管換、処分その他の理由に基づく変動があった場合においては、直ちに台帳 に記載し、又は記録しなければならないこととなっている。

(6) 本件土地に建設する小学校の校舎に対する補助金

本件土地に小学校の校舎を建設するに当たり、森友学園は、一般社団法人木を活か す建築推進協議会(以下「木活協」という。)が、国土交通省から住宅・建築物環境 対策事業費補助金を受けて補助事業者となって実施するサステナブル建築物等先導事 業(木造先導型)(以下「サステナブル事業」という。)の間接補助事業者として補 助金の交付を受けていた。

サステナブル事業は、再生可能な循環資源である木材を大量に使用する木造建築物 等の先導的な整備事例について、その具体の内容を広く国民に示し、木造建築物等に 係る技術の進展に資することなどを目的として、27年度から国土交通省住宅局におい て実施している補助事業である。

住宅・建築物環境対策事業費補助金交付要綱(平成22年国住生第9号)によれば、サ ステナブル事業は、構造材又は内外装材に木材を一定以上使用していること、木材利 用に関する建築生産システムについて先導性を有する計画であること、多数の利用者 等への普及啓発が見込まれる施設とすることなどが補助の要件とされており、補助金 の交付対象は、調査設計計画費、建設工事費及び附帯事務費とされている。また、補 助事業者は、間接補助金の交付手続等について交付規定を定め、国土交通大臣の承認 を受けなければならないとされている。

(19)

領(以下「募集要領」という。)等によると、上記の評価委員会において、公募に対 し応募された事業計画の事業提案の評価が行われ、その評価に基づいて国土交通省が 事業計画の採択の可否及び補助限度額を決定することとなっている。また、補助金の 交付に当たっては、事業計画が複数年となっていても、交付申請及び交付決定は単年 度ごとに行うこととなっている。

また、サステナブル事業の実施に当たり、木活協は、「平成27年度サステナブル建 築物等先導事業(木造先導型)補助金交付規程」(以下「補助金交付規程」とい う。)を定めて、27年6月18日に国土交通大臣へ承認申請を行っており、同日付けで承 認を受けていた。

(7) 行政文書の管理

(20)

されている。

各行政機関は、公文書管理法第10条の規定に基づき行政文書の管理に関する定めを 設ける必要があり、その際は、公文書管理法の目的及び行政文書ガイドラインを踏ま えるとともに、当該行政機関における文書管理の実効性を確保するため、各行政機関 それぞれの業務内容や取り扱う文書の性格、組織体制等を考慮する必要があるとされ ている。そして、各行政機関は、当該行政機関の事務及び事業の性質内容等に応じた 保存期間基準を定めており、国有財産法等に基づき作成される国有財産台帳、国有財 産売買契約書等の文書についても、各行政機関の文書管理者が標準文書保存期間基準 を定め、行政文書として管理している。

なお、行政文書ガイドラインについては、29年9月20日に開催された内閣府の公文書 管理委員会において見直しの方向性が議論されており、歴史公文書等の範囲の明確化 や、保存期間1年未満の行政文書の取扱いなどについて、引き続き検討されているとこ ろである。

3 検査の観点、着眼点、対象及び方法 (1) 検査の観点及び着眼点

会計検査院は、財務省及び国土交通省が実施した森友学園に対する国有地の売却等 について、正確性、合規性、経済性等の観点から、次の点に着眼して検査を実施した。 ア 大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯

(ア) 移転補償跡地の取得や換地処分を受ける際に、地下埋設物等の確認は適切に行 われているか、野田区画整理事業における換地処分は適切に行われているか、国 有財産台帳への記載等は適切に行われているか。

(イ) 大阪航空局から近畿財務局への事務委任、公用・公共用の取得等要望の受付、 予定価格の作成、貸付け及び売買契約の締結、有益費の支払、地下埋設物等の確 認、延納に係る審査・担保権の設定、売払い結果の公表等は法令等に基づいて適 切に行われているか。

(ウ) サステナブル事業の補助金の申請、交付及び審査は適切に行われているか。 イ 貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性

(21)

(イ) 契約相手方との見積合わせは法令等に基づき適切に行われているか。

(ウ) 有益費の対象となった工事内容及び費用の検証は適切に行われているか、土地 の価値の増加額は適切に算定されているか。有益費として支払われた額は適切に 算定されているか。

ウ 当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況

本件土地の貸付け又は売払いに係る会計経理の妥当性の検証に必要な資料は、法 令等に基づき適切に作成され、保存されているか。

(2) 検査の対象及び方法

会計検査院は、森友学園に対する本件土地の貸付け、有益費の支払、売却等につい て、財務本省、国土交通本省、3財務局、大阪航空局、木活協等において、114人日を(注8) 要して会計実地検査を行った。

検査の実施に当たっては、主に、近畿財務局、大阪航空局及び木活協において、決 裁文書、各種報告等の関係書類の提出を受け、その内容を確認するとともに、財務本 省及び近畿財務局の文書管理の状況についてデータが保存されているシステムの仕様 等を確認したり、本件土地の現況を確認したりするなどして検査した。また、財務本 省及び3財務局において、本件土地と類似の事例との売却手続等の比較を行うとともに、 近畿財務局管内の6財務事務所等からも調書を徴するなどして同様の比較を行った。(注9)

さらに、会計検査院法第28条の規定により、工事関係者等から資料の提出等を受け るなどして調査した。

(注8) 3財務局 関東、東海、近畿各財務局

(22)

第2 検査の結果

1 大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯 (1) 本件土地の来歴

ア 本件土地の周辺地域

本件土地は、豊中市の南部に位置しており、21年7月に大阪航空局が実施した「大 阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)土地履歴等調査」(以下「土地履歴等調 査」という。)の報告書等によると、元々は田及び池沼であった土地であるが、昭 和40年代頃から埋立等により宅地化され、集合住宅が建ち始めていたとされている。

本件土地を含む大阪国際空港の周辺地域(以下「空港周辺地域」という。)は、 騒防法等に基づき、図表2-1のとおり、49年以降、航空機の騒音の障害に応じて第1 種区域、第2種区域及び第3種区域の指定を受けており、野田町周辺地区は第2種区

(注10)

域の指定を受けていた。そして、大阪航空局は、騒防法に基づき、空港周辺地域の うち、第2種区域及び第3種区域の指定を受けた区域において、航空機の騒音により 生ずる障害の防止、航空機の離着陸の頻繁な実施により生ずる損失の補償等のため、 土地の所有者からの申出に応じて土地の買入れを実施して、買い入れた土地を行政 財産として管理していた。

(23)

図表2-1 大阪国際空港における第2種区域の概略図

(注) 国土地理院の地図を基に会計検査院において作成した。概略図のため実際の境界と異なる場合が ある。

イ 大阪航空局における移転補償による土地の買入れ

上記土地の買入れについて、大阪航空局は、国有財産法、「国土交通大臣の設置 する特定飛行場周辺の移転補償等実施要領」(昭和46年空管第2号。以下「移転補償 実施要領」という。)等に基づき実施していたとしている。

(24)

そして、大阪航空局は、引渡しを受ける土地における地下埋設物等の調査につい ては、①移転補償実施要領等において、土地買入金等の額の算定に係る地下埋設物 に関する規定は特にないこと、②移転補償跡地は、図表2-2のように大阪航空局が原 則として更地のまま管理することとしており、また、特定の利用用途を定めていな いなど、地下埋設物があっても特にその後の管理に影響を及ぼさないことなどの理 由により、行っていなかったとしている。

図表2-2 移転補償跡地の外観(例)

なお、移転補償跡地の取得に係る資料について、国土交通省行政文書管理規則 (平成23年国土交通省訓令第25号)に基づき定められた大阪航空局補償課の標準文 書保存期間基準によれば、当該資料の保存期間は、行政文書を作成し、又は取得し た日の属する年度の翌年度の4月1日を起算日として10年とされており、保存期間が 経過した後は資料を廃棄処分することとされている。このため、本件土地に係る移 転補償跡地の取得に関する資料は保存されておらず、実際に、地下埋設物等の調査 を行っていなかったのかどうかについては確認することができなかった。

ウ 移転補償跡地の処分

(25)

売払いを行っていた。

エ 野田区画整理事業による換地

野田町周辺地区は、昭和49年の第2種区域の指定以降、移転補償により空地化が進 み、住宅が点在する虫食い状態となっていた(図表2-3参照)。そこで、豊中市は、6 2年8月に策定した新・庄内地域住環境整備計画の中で野田地区周辺整備を重点事業 計画に位置付け、都市計画道路、公園等の公共施設整備に併せ、住宅地としての良 好な町づくりを行うこととしていた。そして、豊中市は、自らが施行者となって、 公共施設の整備改善、国有地の集約化等による土地の再編を行い、土地の高度利用 を図ることなどを目的として、野田区画整理事業の事業計画を策定し、大阪府から 事業計画の認可を受けて平成8年6月28日から22年3月31日までの間に施行していた。

図表2-3 野田地区における移転補償跡地

(注)野田区画整理事業の資料を基に会計検査院において作成した。

(26)

り、これに対する仮換地の面積は、減歩率や野田区画整理事業による土地評価額の 上昇等により24,073㎡とされていた。そして、仮換地を受けた大阪航空局は、11年(注11) 11月30日から15年2月7日までの間に、上記24,073㎡のうち5,794.96㎡を野田地区内 におけるコミュニティ住宅等のための用地として豊中市に売却していた。その結果、 換地処分により換地を受けた土地は、17年6月28日の換地処分通知によれば、本件土 地を含む2筆計18,262.85㎡(以下「換地後の土地」という。)となっていた(図表 2-4参照)。

(注11) 24,073㎡ 仮換地の面積は、仮換地後の確定測量の結果により多少増 減するため、仮換地を受けた24,073㎡から換地処分までに売却した 面積5,794.96㎡を除いた値18,278.04㎡と換地処分により取得した面 積18,262.85㎡は一致しない。

図表2-4 野田地区における換地後の土地の位置図等

(27)

野田区画整理事業における換地は、豊中市が策定した事業計画や換地計画等に基 づき実施されていた。野田区画整理事業においては、建築物等については、事業の 施行上移転又は除却が必要な場合には補償が行われることとされており、換地にお ける土地評価は、原則更地として同市が制定した土地評価基準(以下「豊中市土地 評価基準」という。)により実施されていた。

豊中市土地評価基準によれば、土地の評価に当たっては、土地の形状、接道状況 等に応じて評価することとされているが、土地に係る地下埋設物に関する評価の規 定は定められていなかった。そして、野田地区区画整理事業の換地計算書、精算金 調書等により、地下埋設物の存在が換地の際の土地の評価に反映されていたかどう か確認したところ、土地の評価は豊中市土地評価基準に基づき算定されており、土 地の評価に地下埋設物の存在は反映されていなかった。

上記のとおり、野田区画整理事業において、土地の評価に地下埋設物の存在が反 映されていないことなどから、従前の土地及び換地により取得する土地については、 更地として換地が行われることとなっていたと思料される一方、17年6月の換地処分 により取得した換地後の土地においては、従前豊中市が所有する道路用地であった ときの舗装の材料、埋設されていた上下水管やガス管、また、過去に豊中市が移転 補償跡地を大阪航空局より無償で借り受けて整備した児童遊園内のコンクリート構 造物等(以下、これらを合わせて「地下構造物等」という。)が撤去されておらず、 残置されたままとなっていた。

換地後の土地に地下構造物等が残置されたままとなっていた経緯について、大阪 航空局は、野田区画整理事業における換地に係る決議文書や合意に至る過程が記録 された文書の保存期間が大阪航空局補償課の標準文書保存期間基準では10年とされ ており、29年4月時点では既に保存期間が経過していて既に廃棄されていたため、不 明であるとしている。

(28)

た。

しかし、大阪航空局と豊中市の間で、上記の協議に基づいた地下構造物等の取扱 いに係る協定書や覚書等が作成されたのかどうかについては確認できなかった。そ のため、本件土地に地下構造物等が残置されたまま換地が行われた正確な経緯につ いては、確認することができなかった。

オ 換地後の土地の処分

上記のとおり、豊中市は、換地後の土地を全て公園として整備する計画としてい た。そして、公園の整備に当たり、豊中市は、換地後の土地について、国有財産法 等に基づく無償貸付けや減額による売払いを大阪航空局に要望していた。一方、大 阪航空局は、移転補償跡地の新規使用に当たっては、周辺環境基盤施設整備事業に(注12) 供されるものでない場合、無償貸付けではなく時価による売却としていたため、換 地後の土地を最終的に時価で売却することとなった。そこで、大阪航空局は、19年 10月23日に豊中市に対し、換地後の土地について、①時価による売払いであること、 ②利用計画が公共用等に供するものであること、③利用計画について回答月より2年 以内に具体的な事業計画を策定すること、④換地後の土地の一部の買受けを要望す る場合において、要望部分以外の残地が不整形地等の処分困難な土地とならないこ となどを買受条件とした「売払処分予定国有地の買受要望の調査について」を発出 した。

しかし、豊中市は、財政状況が厳しいことなどの理由により換地後の土地を全て 買い取ることが困難であるとして、換地後の土地のうちその半分程度の面積となる 東側の9,492.42㎡(以下「公園用地」という。図表2-4参照)のみを取得して公園と して整備する方針とし、西側部分の本件土地の取得を断念した上で、20年3月28日に 公園用地について買受けを要望する旨の回答を大阪航空局へ送付していた。

(注12) 周辺環境基盤施設整備事業 第2種区域における移転補償跡地の有効活 用として、国の補助を受けて地方公共団体が公園、街路等の整備を 行う事業

カ 土地の履歴及び地下構造物の調査

(29)

① 土地履歴等調査

大阪航空局は、換地後の土地に有害物質である重金属や揮発性有機化合物に汚 染された土壌が存在するおそれの有無を評価することなどを目的として、前記の とおり、21年7月に土地履歴等調査を調査会社へ発注して実施していた。本件業務 の特記仕様書によれば、土地履歴等調査は、過去の住宅地図や航空写真等による 地歴の調査、対象とする土地が土壌汚染地として把握されているかについての公 的資料による調査等を実施し、評価することとされている。そして、これらの調 査結果から、汚染された土壌が存在するおそれがあると評価した場合は、更に詳 細な調査を実施することとされている。

そして、請負業者から大阪航空局に提出された報告書によれば、換地後の土地 には、土壌汚染の原因となる有害物質を取り扱う可能性のある企業の立地は確認 されなかったこと、周囲がフェンスで囲われ、施錠されていて不法投棄等は確認 されなかったことなどから、汚染された土壌が存在するおそれはないと評価され ている。このため、更に詳細な調査は実施されていなかった。

② 地下構造物調査

大阪航空局は、換地後の土地の地下埋設物の状況把握を目的として、21年10月 に「大阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)地下構造物状況調査業務」(以下 「地下構造物調査」という。)を調査会社へ発注して実施していた。本件業務の 特記仕様書によれば、地下構造物調査は、上下水道、ガス管等の施設状況資料を 市役所、水道局、ガス会社等から入手可能な範囲で収集しなければならないとさ れている。また、現地踏査により、地表面の状況や構造物等を把握し、整理する とともに、地中レーダ探査、試掘等により地下埋設物の状況を調査することとさ れており、レーダ探査の深度は3m以内、試掘深度は、原則として地山深度(地下 埋設物がなくなる深度)とされた。

(30)

全域にわたって確認され、深度数十㎝から1.5m程度までの層において点在してい るとされている。また、公園用地においても、本件土地と同様の地下埋設物が確 認されている。

キ 公園用地の豊中市への売却

豊中市は、21年9月11日に公園用地の買受要望、買受理由等を明示するなどした普 通財産買受要望書を、利用計画書等の関係書類を添付して大阪航空局へ提出してい た。これを受けた大阪航空局は、「社会資本整備事業特別会計空港整備勘定等所属 普通財産事務取扱要領について」(昭和46年蔵理第4404号)に基づき、同月15日に 近畿財務局へ公園用地に係る売払処分依頼を行った。

そして、処分依頼を受けた近畿財務局は、21年12月に不動産鑑定業者へ公園用地 の鑑定評価業務を委託していた。近畿財務局は、委託に当たり、大阪航空局より提 供を受けた土地履歴等調査及び地下構造物調査の結果を同鑑定業者に資料として提 示していた。このため、委託を受けた同鑑定業者の不動産鑑定士は、不動産鑑定評 価に当たり、公園用地について、前記のとおり、土地履歴等調査により汚染の存在 は確認できなかったことから土壌汚染の影響は無いものと判断していた。また、地 下構造物調査により地下埋設物が確認されていることなどから、その報告書に記載 されている地下埋設物の数量等を基に、公園用地に係る処分工事費を8748万余円と 算定するなどして、地下埋設物の存在に係る個別的要因を0.94と算定していた。そ して、これらを踏まえ、同鑑定業者は、22年2月15日に近畿財務局へ鑑定評価書を提 出していた。鑑定評価書の提出を受けた近畿財務局は、評価調書を作成し、同月24 日に豊中市と見積合わせを実施しており、その結果、近畿財務局は、同年3月10日に、 地下構造物調査の報告書に記載されている地下埋設物が存在することを買受人であ る豊中市が了承したとする特約条項を付して瑕疵を明示した国有財産売買契約によ り、公園用地9,492.42㎡を豊中市に14億2386万余円で売却していた。

(31)

ク 公園用地に係る土壌汚染

22年3月10日に公園用地を大阪航空局から取得した豊中市は、大阪航空局が21年7 月に実施した土地履歴等調査において、公園用地を含む換地後の土地において土壌 汚染のおそれはないと評価されていたものの、売買契約書に、公園用地に廃棄物混 合土を含む地下埋設物等があることが明示されていたことなどから、公園整備に先 立ち、22年11月に調査会社へ発注して公園用地における土壌汚染等の調査を実施し ていた。調査の結果、土壌汚染が確認されたため、豊中市は、確認された土壌汚染 は国有財産売買契約書第7条に定める隠れた瑕疵に当たるとして、23年3月23日に近 畿財務局に土壌汚染対策により増額した費用負担について、協議申入れの事前通知 を行っていた。

そして、公園整備後の27年3月4日に、豊中市は、土壌汚染対策費用23,282,700円 の負担について、近畿財務局及び大阪航空局に協議の申入れを行っていた。協議の 結果、同月13日に近畿財務局、豊中市及び大阪航空局は、公園用地に係る瑕疵担保 の処理についての合意に基づく合意書を締結し、この合意書に基づき、大阪航空局 は同月26日に、賠償金として23,282,700円を豊中市へ支払っていた。

ケ 土壌汚染等状況調査

上記のとおり、公園用地において土壌汚染が確認されたことから、大阪航空局は、 本件土地についても、土壌汚染に係る調査を実施することとし、土壌汚染の有無と その範囲を把握及び判定することを目的として、23年9月20日に「大阪国際空港場外 用地(OA301)土壌汚染概況調査業務」(以下「土壌汚染調査」という。)を調査 会社へ発注して実施していた。本件業務の特記仕様書によれば、土壌汚染対策法 (平成14年法律第53号)等に基づき、東西方向及び南北方向に10m間隔で引いた線 により格子状に対象地を区画するなどした上で、土壌ガス及び表層土壌(表層から 50cmまで)の採取、採取した試料の分析等を実施することとされている。

そして、提出された報告書によれば、60か所を調査した結果、2か所において砒素 及びその化合物の溶出量基準に不適合、3か所において鉛及びその化合物の含有量基 準に不適合、計5か所において土壌汚染が見受けられるとされている。

(32)

港場外用地(OA301)土壌汚染深度方向調査業務」(以下、土壌汚染調査と合わせ て「土壌汚染調査等」という。)を調査会社へ発注して実施していた。本件業務の 特記仕様書によれば、現地調査における土壌試料の採取はボーリングによることと されており、最大地下10mまでを原則とするとされている。

そして、提出された報告書によれば、基準に不適合な5か所において、汚染深さが 地下1mから3mまでの層にあるとし、その除去の方法については、対象土量が比較 的少ないことから掘削による除去が適しているとされている。

また、大阪航空局は、土壌汚染調査等の結果を受けて、本件土地の砒素及び鉛に よる汚染状況が土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号)等で定める基 準に適合しないとして、土壌汚染対策法等に基づき、25年4月9日に豊中市に対して 形質変更時要届出区域の指定の申請を行い、同月26日に同区域の指定を受けていた。 コ 本件土地の最初の処分手続

豊中市は、20年3月28日に大阪航空局に大阪航空局所有の換地後の土地の東側につ いて公園用地として買受けを要望する旨の回答を提出した際、西側の本件土地につ いて、森友学園とは別の学校法人に取得の意向があることを大阪航空局へ伝えてい た。大阪航空局は、24年1月20日に同学校法人から提出された買受要望書を受理した ことから、委任要領に基づき、同年3月13日に本件土地に係る売払処分依頼を近畿財 務局へ行っていた。

近畿財務局は、大阪航空局からの処分依頼を受け、本件土地の評価を不動産鑑定 業者に委託しており、その際、前記の土壌汚染調査等及び地下構造物調査の結果を 同鑑定業者に資料として提示していた。そして、近畿財務局は、同鑑定業者から鑑 定評価書の提出を受けて評価調書を作成し、同学校法人と売買契約に向けた事務手 続を進めていた。

しかし、同学校法人は、経済状況の悪化による学生の減少等を踏まえて、24年7月 25日に買受要望を取り下げていた。そして、大阪航空局は、買受要望の取下げを受 けて、同年8月7日に近畿財務局への本件土地に係る売払処分依頼を取り下げていた。 サ 移転補償跡地等の管理及び新関空会社への承継

(33)

通大臣が財務大臣に協議して指定するものに関する権利及び義務については、新関 西国際空港株式会社(以下「新関空会社」という。)へ承継されることとなった。 経営統合時に同法等に基づき新関空会社へ承継する権利義務は、「新関西国際空 港株式会社が承継する権利及び義務にかかる指定について」(平成24年国官会第60 6号国土交通大臣通知。以下「承継指定通知」という。)により指定されている。そ して、承継指定通知によれば、大阪航空局が管理していた大阪国際空港に係る移転 補償跡地等は、新関空会社へ承継することとされている。

しかし、本件土地については、前記のとおり、同法が施行される前から森友学園 とは別の学校法人が先に取得の意向を示し、売却に係る協議等が進められていたこ とから、例外的に、新関空会社に対して承継させずに、国が引き続き保有し、処分 の手続を進めることとしていたため、承継指定通知において、承継する権利及び義 務として指定されていなかった。

なお、24年10月22日に大阪航空局の担当職員が移転補償跡地の新関空会社への現 物出資に係る登記手続の際に、承継の対象となっていない本件土地について、誤っ て所有権移転の登記手続を行ったため、新関空会社へ登記上所有権が移転したこと となっていた。その後、本件土地について、大阪航空局から近畿財務局へ改めて売 払処分依頼を行うため作業している際に、この誤りが判明したことから、25年1月1 0日に錯誤を原因とする新関空会社への所有権移転登記の抹消登記手続が行われた。 ここまでの本件土地等に係る経緯は、図表2-5のとおりである。

図表2-5 本件土地等に係る経緯(森友学園に関するものを除く。)

年 月 日 大 阪 航 空 局 豊 中 市 そ の 他

昭和49年 3月28日 空港周辺地域において騒

防法等に基づき第1種区 域から第3種区域までの 指定

49年~ 第2種区域及び第3種区域 において、補償のため土 地の買入れを実施

62年 8月 新・庄内地域住環境整備

計画の中で野田地区周辺 整備を重点事業計画に位 置付け

平成元年 3月31日 指定区域の見直しによる

第2種区域の大幅な縮小 2年~ 移転補償跡地について行

参照

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